概要
転職活動を進めていくと最終的には応募した企業と面接が数回設定されます。新卒での就職活動の際に面接は経験している方がほとんどだと思いますが、転職での面接では質問の内容も当然変わります。
しかし、企業側が中途採用に慣れていないためか新卒採用との区別がつかないまま採用面接が進んでいくことも考えられます。この記事では転職採用での意味のない質問について解説します。
新卒での採用面接との違い
応募者・企業のどちらの観点から見ても新卒採用とは異なる動機で採用活動が行われます。例えば応募者側からすると、
- 業務経験や即戦力として使えるスキルがある
- 離職する理由は様々(家庭、業務内容、報酬、健康、ライフスタイルなど)
- 入社時期が他の転職活動者と異なる(新卒なら全員4月入社)
- 転職しない、という判断もあり
といったことが挙げられます。一方で企業側としては、
- 即戦力として募集している
- 空いているポジションがある(人が足りていない)
- 同業他社と同様の人材を同時期に募集するわけではない
などがあると思います。このように応募者・企業のどちらから見ても新卒とは前提が異なるので当然面接での質問も変わってくるはずですが、実際には新卒に対してすべき質問がされることもあります。
あまり意味のない2つの悪い質問
- 志望動機を教えてください
- なぜ同業他社ではなく当社を選んだのですか?
それぞれ説明していきます。
志望動機を教えてください
新卒採用で必ず聞かれる質問ですね。応募先の企業固有の理由を求められているやつです。日本の大企業に多い質問です。あまりにも応募者が多い場合は、企業研究など準備にかけた時間を計るための質問をするのは意味があるので新卒採用で聞くのは分かります。
中途採用では企業は即戦力の優秀な人材を求めているので、両者にとって重要なのは応募者が準備にかけた時間よりもこれまでの業務経験や企業文化にマッチするかどうかのはずです。こういう質問をする企業は中途採用を新卒の延長で考えていて、あまり転職者が入社した後のことをイメージしていないように私は感じます。
企業研究に十分時間を取れるかどうかが成否を決める質問です。現職で仕事をしながら転職活動の時間を確保するのはかなり大変です。特に優秀なエンジニアは大体膨大な業務量を抱えているので、帰宅後に確保できる時間は少ないです。
上記の理由から私は現職から離れたい理由を回答していました。質問に対する回答にはなっていないので、これが理由で落ちたら自分とは相性が悪いので仕方がないと思っていました。
なぜ同業他社ではなく当社を選んだのですか?
志望動機と似ていますが同業他社との違いを求められている点が異なります。これも日本の大企業に多い質問です。私は転職活動の中でこの質問をしてきた企業は面接に通っても辞退しました。
大前提として転職市場は新卒採用と違って採用時期もバラバラですし、自分が応募したい職種を全く同じ時期に同業他社が募集しているとは限りません。普通にこの質問に回答するなら、
- 他に同業他社の募集がなかったからです。あったらどちらも応募しています。
- いえ、御社だけではなく同業他社にも応募しています。御社に受かるとも限りませんので。
となります。でも企業側もそんなこと分かりきっているはずなので、こういう質問をする理由がよく分かりません。考えられるとすればやはり新卒採用と同じように考えていて、面接官も何を聞いて良いか分からないから新卒と同じ質問をして場を繋いだくらいでしょうか。
質問内容から企業文化を想像する
私の経験から転職面接でよく聞かれる変な質問を上げてきました。転職活動の中で感じたことは、入社後に自分が仕事をこなせるイメージを作れた企業はいずれも面接が対等な会話になっていたことです。
このような企業は入社後に私が担当することになる業務に必要なスキルや経験をこれまでの業務経験から引出そうとしてくれました。業界や職種が異なるケースであってもどんな経験がどんな形で企業側にとって役立つのか、企業側が欲しいと思っているのかを伝えてくれました。私の経験が全く想定外の業界・業務内容で必要とされていることが分かって感動したこともあります。
中途採用をする時点で企業側も「またすぐに辞めるんじゃないか?」という疑念があるのだと思います。応募者との対話の中でお互いの求めるものを擦り合わせてこの疑念を解消しようとする企業はたとえ落ちても納得できましたし、お互い対等な立場で会話できている感覚がありました。一方、忠誠心を求めるような質問をする企業に対しては、はっきり言って見下されていると感じました。
面接での質問は転職者に対する企業側の姿勢をしていると思いますので、単純に回答を用意するのではなく自分も企業を面接する気持ちをもって望むのが入社後の満足度向上につながると思います。