書籍
限りある時間の使い方
オリバー・バークマン(著)、高橋璃子(翻訳)
かんき出版 / 2022年06月22日
書評
効率的に作業して早めに仕事を終わらせれば残業しなくて済む!と考えて実際に時間が余ると、上司に更なる作業を積まれて結局残業せざるを得なくなるという経験は誰にでもあると思います。全ての作業をやり切れるというのは幻想であり、やらないことを決めることこそが必要であると言うのが本書の主張です。私は意識低い系なのでそもそも全ての作業をやり切れるなどと考えたこともなく、個人的にはあまり新鮮味を感じない理論ですが納得はできるものでした。
どんどんタスクが溜まっているにも関わらずToDoリストを完了させようとして疲弊する方にこそ読んでほしい書籍です。全てのタスクを完了できると言う暗黙の前提に立っていることが幻想であり、優先度の低いタスクをうまく先延ばしにしていくべきと言う完璧主義とは程遠いゆるふわ理論が紹介されます。機会損失の概念や先取り貯蓄の考え方をタスク管理に応用して議論が展開され、理解がしやすいです。
タスクを先延ばしにしたりこっそり忘れてしまったりを普通にやっている自分としては腑に落ちることが多い内容でした。先延ばしにしているうちにやる必要がなくなったり簡単に終わらせる方法が見つかったりするので、タスクを寝かせることが悪いことばかりではないと思っていました。この書籍を読むことでこれまでの自分を正当化できたと思います。
本書のポイント
- 人生は4000週間しかない
- 時間を効率的に使っても自由な時間が増えることはない
- 先延ばしにするタスクを賢く選択する