はじめに
本記事では生命科学の知識をつけるための一般書を、複数の観点から挙げてみます。
長寿化が進む中で高齢になっても健康を保つことができるように生命科学は日々進歩しています。教養として生命科学の知識を深めるために、どういう本を読めばよいか分からないという方の参考になれば幸いです。
入門編
まずは入門編です。
LIFE SCIENCE 長生きせざるをえない時代の生命科学講義
日本人の著者による入門書です。生命科学の基本である細胞の話から最先端の知見まで幅広く学ぶことができます。
著者は2016年にオートファジーでノーベル賞を受賞した大隅良典氏の共同研究者でもあり、初学者にも分かりやすい一般書です。
LIFE SCIENCE(ライフサイエンス) 長生きせざるをえない時代の生命科学講義
吉森 保 (著)
日経BP / 2020年12月17日
ポイント
第一線の研究者による入門書
上級編
次は上級編として2冊紹介します。
遺伝子の社会
進化論的な側面から遺伝子について述べられる内容です。難しい専門用語はほとんど登場せず、重要な用語は丁寧に説明がなされているので前提知識がなくてもどんどん読み進められます。
遺伝子の社会
イタイ・ヤナイ(著)、マルティン・レルヒャー(著)、野中香方子(翻訳)
NTT出版 / 2016年10月17日
ポイント
遺伝子の進化の理解を深めることができる
書評
量子力学で生命の謎を解く
こちらは少し古い本ですが、量子生物学という分野についての書籍です。
生命の仕組みにとって量子論が重要な役割を果たしていることがよく分かります。
量子力学で生命の謎を解く
ジム・アル-カリーリ(著)、ジョンジョー・マクファデン(著)、水谷 淳(翻訳)
SBクリエイティブ / 2015年09月16日
ポイント
量子力学と生命科学という二つの領域にまたがる内容を理解できる
読み物
次に読み物系の書籍を紹介します。
コード・ブレーカー
ゲノム編集技術でノーベル賞を受賞したジェニファー・ダウドナ博士を主人公としたノンフィクションです。女性科学者としての苦悩や、まるで漫画のように次々とヒーローが登場して生命の謎を解き明かしていく物語になっておりとても面白いです。
著者はスティーブ・ジョブスやジェフ・ベゾス、イーロン・マスクの評伝の著者であるウォルター・アイザックソン。
コード・ブレーカー 上 生命科学革命と人類の未来
ウォルター・アイザックソン(著)、西村 美佐子(翻訳)、野中 香方子(翻訳)
文藝春秋 / 2022年11月08日
コード・ブレーカー 下 生命科学革命と人類の未来
ウォルター・アイザックソン(著)、西村 美佐子(翻訳)、野中 香方子(翻訳)
文藝春秋 / 2022年11月08日
ポイント
ゲノム編集技術が生まれるまでの科学者の苦闘や発見のプロセスを物語として読むことができる
書評
ビジネスと人生の「見え方」が一変する 生命科学的思考
最後は少し趣を変えて、生命科学者によるビジネスや人生に対する考え方を述べた本です。著者はジーンクエストという日本のスタートアップ企業の創業者で、生命科学者です。日本では珍しい科学者&起業家の視点を学ぶことができます。
ビジネスと人生の「見え方」が一変する 生命科学的思考
高橋 祥子(著)
ニューズピックス / 2021年01月06日
ポイント
科学者かつ起業家である著者の視点を学ぶことができる
書評
まとめ
本記事では生命科学に関する入門書をいくつかのカテゴリから紹介してみました。まだ私自身読んでいない書籍もあります。生命科学の最近の進歩は著しく、コロナワクチンに代表されるように応用技術も我々の生活の身近にまで及んでいます。今回紹介して書籍から知識をつけてみても良いかと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。