書評

【書評・感想】統計で騙されない10の方法【バイアスや思い込みに気づくことが重要】

書籍

統計で騙されない10の方法
ティム・ハーフォード(著)、上原裕美子(翻訳)
日経BP / 2022年05月20日

評価 :5/5。

書評

本書は一般に統計への向き合い方を述べた書籍です。統計データの信頼性だけでなく、人間の感情や思い込み・バイアスを含めてどのように統計を理解すれば良いかが学べます。無条件に盲信したり、逆に最初から嘘と決めつけることがいかに愚かな態度かがわかります。

統計は現実を明確かつ公正に把握するために利用できる、と実感していただけたらと思っている。そのために、あなた自身も統計的推論を活用し、マスコミやソーシャルメディアや日常会話で見聞きする主張の評価ができることを説明したい。自分の頭で評価するのはもちろんのこと、同じく重要な点として、信頼できるヘルプを見つける方法も学んでほしいと思っている。

タイトルの通り10個のルールが一つの章になる構成になっています。統計データの集め方など技術的な落とし穴だけでなく、人間の持っているバイアスの方により焦点を当てています。例えば、「RULE 2 個人的経験を疑う」では個人的な経験と統計の結果が乖離していたからと言って、どちらかが間違っているわけではなくどちらも正しいケースがあることが分かります。また、「RULE 10 頭と心を柔軟に」では自分の考えが正しいと思い込むことで事実を簡単に見誤ってしまうことが述べられています。本書で述べられている統計に対する向き合い方を常に実行するのが望ましいことではありますが、実態としてはなかなか難しいと思います。著者はゴールデンルールとして健全に科学的な好奇心を持つことが統計を正しく理解するために重要であると述べています。

インターネットやSNSで情報が簡単に手に入るようになった現在、データの解釈が非常に重要になっていると思います。TwitterのようなSNSだけではなくマスメディアでさえも極端かつ非常に偏った言説を見ることがありますが、本書を読めばなぜそういう思考に陥ってしまうかを理解することができます。

参照文献

本書では多くの有名な書籍が引用されています。最後にその中のいくつかをまとめておきます。