書評

【書評・感想】セレンディピティ 点をつなぐ力【たばこ部屋で発生】

書籍

セレンディピティ 点をつなぐ力
クリスチャン・ブッシュ(著)、土方 奈美(翻訳)
東洋経済新報社 / 2022年02月04日

評価 :4/5。

書評

本書では「セレンディピティ」は下記のように定義されています。

本書のテーマは、偶然と人間の志や想像力の相互作用、すなわち「セレンディピティ」だ。セレンディピティを定義すると「予想外の事態での積極的判断がもたらした、思いがけない幸運な結果」となる。セレンディピティは世界を動かす隠れた力であり、日々のささやかな出来事から人生を変えるような事件、さらには世界を変えるような画期的発明の背後に常に潜んでいる。

セレンディピティは単なる幸運によって発生するものではなくプロセスであるというのが本書の主張です。セレンディピティには3つの類型(アルキメデス型、ポスト・イット型、サンダーボルト型)があり、それぞれエピソードを交えて説明されており理解しやすいです。特によく知られているのはポスト・イット型かもしれません(全く別の目的の研究成果がポスト・イットという商品になった)。行動経済学でよく扱われているような観点からセレンディピティの妨げになるバイアスや、具体的なセレンディピティのプロセス、そして後半ではセレンディピティをより多く経験するための方法が語られます。セレンディピティのきっかけとなる幸運をより多く経験できるように行動することも大事ですが、より重要なのはその幸運に気づき、具体的なアウトプットにつなげられるかどうかです。

ベースとなっている研究は科学的なんだろうとは思いますが、本書の記述自体は割とエピソード的な内容が多いです。科学的に厳密な内容を知りたいというよりは、ざっくりとセレンディピティのメカニズムを理解したい人向けの書籍と言えそうです。