【書評・感想】敗者のゲーム【ポートフォリオ・マネジメントはエンジニアリング】

【書評・感想】敗者のゲーム【ポートフォリオ・マネジメントはエンジニアリング】

書籍

敗者のゲーム[原著第8版]
チャールズ・エリス(著)、鹿毛雄二(翻訳)、鹿毛房子(翻訳)
日経BP / 2022年01月06日

評価

評価 :5/5。

書評

投資に関する名著として知られる敗者のゲームの最新版が出ていたので今更ながら読んでみました。最新データに基づいてリニューアルとある通り、2020年のCovid-19に起因する暴落にも触れられているなど一切古臭さを感じることはありませんでした。

本書の主張は単純で、長期投資をするならインデックスに投資するべき、ということです。なぜインデックス投資が長期的に最もリターンが高いのかを、株式市場の歴史や統計的に平均へ回帰することなど、さまざまな側面から定性的・定量的に解説されています。一番面白いなと思った記述を引用します。

大部分の運用機関にとって、ポートフォリオ・マネジメントは、芸術でもなければ科学でもない。決められた運用方針の制約の中で、特定の目標に到達するための最も信頼できる方法を決定するという「エンジニアリング」、すなわち地道な作業だ。その際に最も大切なことは、問題の本質を正確に定義すること。問題の本質が正確にわかれば、正しい解決方法を見出す道筋が見えてくる。

エンジニアリングに例えられている部分は、投資の目的と運用方針を自分で設定すべきと言っている部分にも合致するように思います。エンジニアリングでも仕様(=目的)と設計方針(=運用方針)は製品やサービスごとに決定されるものであって、絶対的な正解があるわけではありません。投資に置き換えると人によって目的も運用方針も異なるので、投資家自身が自分で決めることが重要ということになります。