【書評・感想】2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ【個別最適化されたサービスが当たり前になる?】

【書評・感想】2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ【個別最適化されたサービスが当たり前になる?】

書籍

2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ
ピーター・ディアマンディス(著)、スティーブン・コトラー(著)、土方 奈美(翻訳)
ニューズピックス / 2020年12月22日

評価

評価 :4/5。

書評

コンピューティング能力の向上と複数のテクノロジーの進化が融合することで、加速度的に世界のあり方が変化していることを論じている書籍です。本書はボトムアップ的な3部構成になっており、第1部は個別技術の進歩と影響、第2部はこれらの技術の相乗効果で変化する産業と未来の青写真、第3部ではさらに視野を広げて気候変動や経済、寿命といった課題について述べられます。

本書の肝は第2部と第3部で具体的に各産業や社会が作り替えられている途上にあることを示している部分だと思います。買い物やエンターテイメント、医療などについて触れられています。私が最も分かりやすいと思ったのは部分は教育についてで、その一部を引用します。

今日のAI革命は、一人ひとりの生徒にカスタマイズされた学習環境を生み出す力をもたらしている。そこに神経生理学的データに反応するセンサーを加えると、たとえば生徒の成長マインドセット(研究によって学習に必要な姿勢であると証明されている)を維持したり、フロー状態(学習効果を強化することが示されている)に誘導したりといったことも可能になる。こうした要素を総合すると、今とはまったく違う未来が浮かびあがる。分散型で、個人に合わせてカスタマイズできる、加速度的な学習環境だ。さて、今日は何を学ぼうか?

もちろん2030年という具体的な年はキリか良いから使われているだけと思いますが、近い将来に本書で述べられているような産業や社会はどんどん個人に合わせたサービスを提供できるようなシステムに変化していくと思います。上記の教育の例でもわかるように個別の技術は既に個別最適化を実現できるレベルに到達していると言ってもよさそうです。未来予測本のようなタイトルですが、かなり実現性の高い内容でした。これから就職活動を控えている学生や新しい業界でチャレンジしようと思っている社会人にとって良い道標になるかもしれません。