書籍
GAFA next stage ガーファ ネクストステージ―四騎士+Xの次なる支配戦略
スコット・ギャロウェイ(著)、渡会 圭子(翻訳)
東洋経済新報社 / 2021年12月03日
書評
前作であるthe four GAFA 四騎士が創り変えた世界の続編です。本書での著者の主な主張はCOVID-19によるパンデミックが格差の拡大を加速させ、特にこれがGAFAに有利に働くというものです。コロナ禍による格差拡大が裏テーマになっているようです。
パンデミック下の世界の中で次のGAFAになりえる企業が出現するためには、企業の資本や能力だけではなく所属する業界の既存企業の戦略や消費者の感情などの要素が重要であるとのことです。いくつか事例を交えて詳細に議論されます。前作の焼き直しのように感じられる部分もありますが、コロナ禍という特殊な状況を踏まえてアップデートされた内容となっています。一方で後半の二つの章が大学と政府という二つの分野に裂かれており、おそらく筆者が最も伝えたいのはここだと思われます。内容としては格差拡大に対する問題提起ですが、あまりGAFAは関係ありません(とは言ってもGAFAがこの分野に対して大きく貢献できるとは思います)。
正直、前作が売れたからとりあえずもう一冊出しておこう的な感じがしました。タイトルと本書の伝えたい内容が一致しておらず、読んでいてもスッと理解ができませんでした。自分の理解力が足りないのかもしれませんが、所々で何の本を読んでいるんだっけ・・・?という気持ちになります。内容的には納得できる部分が多いので、タイトルとの一貫性を気にしない人であればサクサク読めると思います。