書籍
the four GAFA 四騎士が創り変えた世界
スコット・ギャロウェイ(著)、渡会圭子(翻訳)
東洋経済新報社 / 2018年07月27日
書評
Google, Apple, Facebook, Amazonの4社がグローバル経済に多大な影響力を持っているだけに留まらず、政治的・倫理的にも巨大な存在になっていると言う観点から現在の世界を理解しようとする書籍です。まずは各社の成り立ちをたどり、その後にGAFAの抱える課題や他の大企業と一線を画した巨大な存在になるための要素を経済以外の観点も含めて論じています。
翻訳書ということを加味しても、正直文章として少し大袈裟な表現が多いようには思います。GAFAは必ずしも善良な存在ではなく清濁併せ呑むような方法で、世界の一角を支配するほどの規模感に成長しています。事例としてAppleがゼロックス研究所で研究されていたGUIを盗用?してコンピュータを専門家のものから一般に使用する存在へ変えたことなどが述べられています。これが本当に悪いことかどうかは議論の余地があると思います。
最後にはGAFAに取って代わる次世代企業の存在について述べられます。本書執筆時はコロナ前だったので世界を取り巻く状況は変わっていますが、大きな方向性には影響ないように思います。