書評

【書評・感想】億万長者だけが知っている教養としての数学――世界一役に立つ数学的思考力の磨き方【ギャンブルを題材にした統計学入門】

2021年12月19日

書籍

億万長者だけが知っている教養としての数学――世界一役に立つ数学的思考力の磨き方

億万長者だけが知っている教養としての数学――世界一役に立つ数学的思考力の磨き方
ヒュー・バーカー(著)、千葉 敏生(翻訳)
ダイヤモンド社 / 2021年04月13日

評価 :3/5。

書評

ちょっとタイトルとは異なる内容のように感じました。投資、ギャンブル、仕事術について多くの人が犯しがちな統計的な誤りを認識しておくべき、みたいな内容を想像していましたが、ほとんどギャンブルの話でした。

理系の学部なら当たり前に学ぶことですが、複利や確率分布など基本的な概念は非常にわかりやすく紹介されています。ただしそれ以外はブックメーカーやカジノの仕組み、胴元とギャンブラーの立場の違いなどの話がほとんどです。一部株式投資についての章もありますが、PERなどの指標の紹介と、リスクやボラティリティといった用語の解説、標準偏差・相関係数といった統計学の初歩の説明があるくらいです。最後にはミレニアム懸賞問題など数学的難問を解くことで懸賞金で稼ぐことに言及しています。

正直ブックメーカーの仕組み以外はほとんど大学の初めに学ぶようなことばかりであまり目新しい情報はありませんでした。文系学部の方など統計学にノータッチの場合は入門的な位置付けで読んでみてもいいかもしれません。